東北大学・多元研・放射光産学連携準備室(SLIT-Jについて)

イノベーション指向の計測ステーション構成

各ビームラインは、電子から放射光を作り出す「挿入光源」、 光を調整する「フロントエンド」と「光学ハッチ」、そして、実際にユーザーが実験・計測を行う「エンドステーション」から構成されます。 SLIT-Jでは、様々な測定ニーズに的確に対応するため、2つのの計測ステーション、すなわち「高度自動化計測ステーション」と「先端計測ステーション」とに大別してエンドステーションを構成する予定です。
基礎科学から応用・実用まで、先端研究がSPring-8をはじめとする放射光施設で行われています。

「高度自動化計測ステーション」は、
メールイン(試料、試験片の郵送後)測定代行、自動計測、遠隔地からのリモート計測に応じたロボットを配置した専用ステーションです。 ロボット計測の導入でハイスループット化し、国際競争可能な水準にしていく予定です。

「先端計測ステーション」は、
コウリション・コンセプトを実現するため、ユーザー独自の大型実験装置を持ち込み、放射光でナノ先端計測を実現するためのステーションです。独自の大型実験装置は、プラグイン型の「イノベーションベンチ」という形で、 エンドステーション内に導入・設置できるように設計されます。

先端計測ステーション内部は、「基礎ステーション」と「イノベーションベンチ」で構成されます。
「基礎ステーション」には基本的な計測システムが整備されることになります。

コウリション・コンセプトによる開発研究の実例

一方、「イノベーションベンチ」のシステムは、ユーザーが自らの研究開発装置を持ち込んで測定するための機構で、 イノベーションベンチ側のプラグイン機構は施設全体で共通標準化し、先端計測ステーションではプラグイン機構のアダプタ等を工夫して「イノベーションベンチ」を組込めるようにデザインする予定です。
これにより、ひとつの「イノベーションベンチ」を様々なビームラインの先端計測ステーションに移動させ、異なる種類の計測をすることが可能となります。
このようなプラグイン型のイノベーションベンチの導入により、企業が製造プロセスや製品使用環境を再現する大型装置の持ち込みが可能となるほか、実験・計測装置にユーザーが独自の機能を付加することも可能となるため、 プロセスエンジニアリング開発やチャレンジ型の先端研究が可能となります。

また、オフライン時にはイノベーションベンチを掩蔽することにより、技術・ノウハウの流失を回避することができ、さらには、オフラインでの測定準備ができるため、測定時間以外のビームタイム占有を最小化し、効率を上げることも可能になります。

SLIT-Jでは、イノベーション指向のエンドステーションを建設します。

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